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主要な価値創造モデルとしに評価(89):戦後日本のドル収入最大化モデルー35

 前回は、今世紀に入ってわが国にも遅ればせながら株主重視経営の考え方が浸透し始め、大企業の平均ROEも二桁に近いところまで高まっていることを紹介しました。私は長年日本を「ROE最貧国」と呼んで警鐘を鳴らしてきましたが、最近になってようやくこの汚名を返上するところまで来ています。その状況を、主要国の平均ROEの推移で見てみたいと思います。
 下の表は、MSCI社が集計している、世界の主要23か国の平均ROEの水準を、2005年、2010年、2014年について比較したものです。
       主要国の平均ROEの推移 (%)
    国名      2005  2010  2014
日本           7.7   5.8   9.0
アメリカ        15.1  12.2   13.7
フランス        13.2  9.0    7.6
スエーデン      16.5  12.8   13.9
スイス         20.6  17.3   9.5
イギリス        14.1  12.3   9.9
オーストラリア    16.7  12.1   12.3
シンガポール    12.0  11.0    9.0
ドイツ         9.8   11.8   11.2
オランダ       16.8  10.2   10.0
23か国平均     14.6  9.6    9.3

 もちろん、国によってインフレ率や金利水準も大きく異なりますから、名目値ベースのROEだけの比較で単純に優劣を決めることはできません。しかし、2005年がそうであったように、最近までほとんどの国の平均ROEが二桁台にある中で、ひとり一桁に甘んじていた日本は、極めて特殊な存在でした。まさに「ROE最貧国」だったのです。
 しかし2010年ごろから、ヨーロッパを中心に、日本以外の多くの国で平均ROEの低下が目立ってきました。そして2014年になると、平均ROEが一桁になった国が23か国の中で15にも上ったのです。また、フランス、イタリア、スペインをはじめ、日本を下回る国も8か国になっています。この結果、わが国はようやくROE最貧国から卒業したと言えそうです。長年わが国の低収益経営に警鐘を鳴らしてきた私にとって、これは非常に嬉しいできごとなのです。」」   
    
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